2015年3月10日火曜日

坂の街を歩き、滝と花街の面影を味わうin四ッ谷・荒木町

場所: 日本, 〒160-0007 東京都新宿区荒木町
今回の舞台は四ッ谷周辺、荒木町。 新宿区は坂が多く、歩いていて楽しいのです。

窪地にある荒木町には、かつての滝つぼのそばに弁天様と池が残っていました。 また、花街の名残である、石畳の道と階段の風景も、面白かったです。

昔の街灯の撤去問題が発生している模様。 どうするべきでしょうか?


この記事は動画でもご覧いただけます!

ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26086854

散歩すると楽しい新宿区




…まぁ、大した理由も無く、四ッ谷を歩こうかな。と決めたわけです。


三栄町飲み屋街
ただ、見ておきたいポイントが無かったわけではないです。

主に、地形の凹凸と坂道。 新宿区って、意外と起伏に富んでいて、散歩してると楽しいんですよね。



例えば、四ッ谷から少し北にある坂町。


複雑な地形に合わせて道と区画ができていて、道を広げるのも難しいようで、自動車1台がやっとの幅の道が、くねくね走っていたり、階段があったりして…



それから、「戸建てが連なる道の向こうにビルが連なる風景」というのも、新宿区らしい風景です。

新宿は、田舎の鼻が垂れた子供でも知ってるであろう大都市ですが、大通りに連なるビルの内側は、意外と、戸建ての住宅が多いんですよね。


窪地の荒木町にあるのは、池と滝と花街の面影


(この地図は{国土地理院 基盤地図情報(数値標高モデル)}{国土地理院 電子国土Webシステム}{カシミール3D}を使用しています)

…そして、今回の四ッ谷散策で、一番チェックしたかったのが、この、荒木町。

カシミール3Dで地形を見ると、見事な窪地になっていて… 面白そう! と思ったのです。

津の守弁財天
津の守弁財天
やはり、面白いものがありました!

弁天様と池が! 津の守弁財天と策の池です。

策の池は「さくのいけ」ではなく「むちのいけ」と読みます。

策(むち)の池
策(むち)の池
説明書きによると、昔、ここには高さ4メートルほどの滝があり、江戸時代には、王子の名主の滝などと合わせて江戸八井の1つとされていたそうです。

策の池は、その滝つぼがあったところであり、明治初期の地図を見ると、荒木町の窪地全体が池だった事が分かります。


策の池に通じる階段。

石畳とコンクリのバランスといい、不規則な階段といい… 修繕のために追加したであろうアスファルトのまだら模様も、味があって、いいですね。



こちらは先ほどとは別の階段。 荒木町は石畳が多いのです。



荒木町は、主に住宅地ではありますが、以前は花街だったそうで…

石畳は、その名残なのでしょう。

いまの神楽坂のような風景が、荒木町にもあったのかもしれません。




やっぱ坂のある街は歩いていて楽しいです。



この坂道と… 策の池、そこにそそぐ滝…があったという風光明媚な土地の記憶があったからこそ、荒木町に花街ができたのでしょう。

今でも、新宿通り側の南部を中心に、呑み屋やスナックが多く点在しています。




近郊で働くベテラン社員の憩いの場なのでありましょう。


古い街灯の撤去問題が発生中。



この鉄塔は、昔の街灯だそうですが…

手前にある現代の電柱と見比べてくださいよ! この芸術性を!

例えば土台の部分だけ注目してみても、からスッと細くなるシルエットは、女性の腰のようでもあり、花街らしいではないですか。

石畳の階段に、この街灯が並んでいた風景を想像すると… ついつい、ふらふらと、花街の中へ、非日常の快楽へと誘われてしまいそうですよね。




けど、この街灯、今は使われていませんし、花街にも陰りが見え(花街という言葉すらもう死語ですし)、老朽化しているという事もあり… 問題が発生中。

街灯の張り紙に、注目してみましょう。



町会役員の方は、事故を心配し、街灯を撤去しようとしています。

しかし、荒木町の遺産として、このまま保存を望む人もいるのです。


…よくありそうな話であり、似たような問題が、自分の住む町で起こっても不思議ではありません。 どうするべきか、考えてみましょうか。



…うーん。 難しい問題ですよね。 

とはいえ。

東日本大震災が起きた事で、首都直下型地震に対する警戒は強まっています。 街灯が地震などで倒れ、もしそれが人に当たったら… 責任を取らなければならないのは道路の所有者や管理者。そのシステムは変えようがないですよね(て事は、この石畳の階段道は公道じゃない?)

私も、保存できるなら保存したほうがいいと思いますけど…それは部外者のわがままなだけで… 

「こんな風情ある街灯を撤去するなんて、もったいない!撤去反対! でも、倒れて人がけがしても、私は知りませ~ん」 …というのは、虫が良すぎるんですよね。 リスクを他人に押し付けて旨味だけ得たいって事ですから。



町会にしてみれば「残したいなら修繕費を出すなり、倒れた時の責任を負ってくれよ」って考えているかと思います。
けど、責任を負わせるには、管理者になってもらわなければならないわけで、そうすると、町会役員に加わらなくてはならない… そのへんのチカラ関係や仲間意識もあって、倒れた時の責任を負わせる方法は、意外とハードルが高いですよね。


そうすると、街灯を残すには、同志を募り、カンパを募り、修繕費を集めるしかないのかな… と。



じゃあ、実際に… 「荒木町花街時代を物語る、歴史と風情あふれる街灯、修繕保存のためのカンパ募集!」の話が、私のところに来たとしたら… 私は、いくら払うだろうか? と考えると…。

…びた一文出さないでしょうね。 冷たいけど。

保存されるなら保存してほしいけど、自分の懐を痛めるほどではない。 そもそも自分は荒木町に縁もゆかりもなく…古い街灯が撤去された所で、残念がるような思い出は何一つない。

この街灯は、社会の変化の中で使用されなくなり、時の流れで老朽化した。  時の流れと社会の変化は止めることができない。 このまま撤去されるのは、自然の流れなんですよね。

増してや、この東京という所は、合理的効率的に変化する街。 首都高が要るとなれば日本橋の空を覆い、都電が邪魔となればサヨウナラ。 土地が必要ならば、どんどん埋め立て。逆に川が必要ならば作るし、流路も変える。 荒川だって人工物だし、神田川の流路も山を削ってまでして変えたんですから。








…そりゃあ、東京を歩いていて、素敵な風景に出会ったら、ずっと残っていて欲しいと思いますよ。でも変わるのは仕方がない。 生物に寿命があるのと同じだと割り切るしかない。

例えば、東京メトロ銀座線の駅は、駅自体の階層が浅い点もさることながら、デザインのレトロさというか、言うならば、買ったばかりの頃は白くてピカピカだったのにいつのまにか黄色くなってしまった家電のような古さが好きなのですけど… 銀座線の駅、このたび、全面リニューアルされるじゃないですか。 全体的なオレンジの電球色のような雰囲気は駆逐され、現代のデザインに…綺麗で清潔だけど冷たい…全体的に青っぽい昼白色のような雰囲気になってしまうかと思うと、残念で仕方がないんですけど、割り切るしかないんですよ。


今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!



より大きな地図で 「尊い東京の姿」一覧地図 を表示

0 件のコメント:

コメントを投稿